山形県と秋田県に跨がる標高2236mの活火山。山頂に雪が積もった姿が富士山にそっくりなため、出羽富士(でわふじ)とも呼ばれる。【Wikipedia】
周囲に高い峰がないため山形、秋田のあちこちから見ることのできる独立峰であります。
前回の山行で、スタミナ不足を反省し1周間前から準備を整えます。
体調的には夏風邪を引いてしまい、これがなかなか完治しない・・・。熱は下がったのですが喉に痰が絡んで時々咳き込みます。完治するまでには時間がかかりそうなのでこれは放置。
登山中に、しかも歩き始めて2時間程度でバテるってことは、エネルギー不足。
自分の食生活を考えると、本人の考えはどうであれ、糖質制限がかかっているのと同じ状況だと思いましたので、まずは3日前から タンパク質や脂肪の摂取を控えて 炭水化物の摂取を大幅アップ。夕飯は、うどんとご飯、いわゆる「うどん定食」ってやつですかw
昼は おにぎりを2個と とにかく炭水化物の量を増やして 血液中のグリコーゲン量を増やすことに努めました。マラソンをされる方ならおなじみの「カーボローディング」ですね。登山当日の朝食は でかいおにぎり3個ですw
ちなみに、体重は間違いなく増えます(汗) が、登山から帰ってきて 今これを書いてる時の体重は69.45キロなので、登山が終わったら体重は元にもどって、いや、更に体重が落ちてます ^^;
今回はそのくらい意気込みが違います。
なぜかって?
鳥海山を登った人の記録を読んでると 日帰りの場合は 例えば朝7時に登山開始して戻ってくるのが夕方4時半頃、9時間前後歩き続ける必要があるようです。
自分の場合 ソロなので途中で調子が悪くなっても 背負ってくれ人はいません。事前の準備がとっても大切なのです。
さて、金曜日の仕事が終わって 速攻で帰宅。荷物を車に積みこんだらベッドで仮眠。暑くてなかなか眠れませんでしたが、2時間程 うつらうつらできたでしょうか・・・。
夜の10時半頃に自宅を出発。行きは 尾花沢を経由しR47で酒田市に抜けた後、R7で北上し鳥海ブルーラインで鉾立に向かいました。
真夜中2時に 鉾立山荘前の駐車場に到着。車は十数台あったでしょうか。
半袖半ズボンのいでたちでしたが、車外は風も強く、寒いです。
目をつぶったら即寝落ちw。ハッと気がついたら 3時半・・・まだ時間があります。
外の様子を伺うと、ポツポツとヘッドライトの明かりが見えましたので、気の早い方はそろそろ準備を始めているようです。4時頃になると あたりがようやく見え始めてきたので自分も準備を始めます。
04:48 出発
写真を撮るには もう少し遅い時間に出発するのがいいのですが、この時期は まだ暗い 涼しい時間帯にできるだけ歩みを進めておくに限ります。
今回特に感じましたが 鉾立ルート、途中 小屋が1件だけありますが、それ以外 頂上まで陽を遮るものがないです。稜線にでればいくぶんマシでしたが、日差しが強くて 熱中症になりかけました。頂上小屋や途中の小屋で宿泊する方は別ですが 日帰りの方はできるだけ早立ちして涼しいうちに行程を進めるのが肝心です。
鉾立の展望台より
谷が深いです。
東雲荘(とううんそう)
しばらくは石畳の道が続きます。
クルマユリ
他の山域では 自分はあまり見たことがなかったです。
石畳の道ですが、行きは快適でしたが、帰りの身体がヘロヘロになった状態で この石畳の道は 足にダメージが積み重なるようで かなり歩きにくかったです。
途中の展望台より 遠くに鳥海山を望む
晴れてはいるけど、麓からガスが上がってきています。頂上につく頃までなんとか持ちこたえるとうれしいのですが・・・。
お花を愛でる山旅のつもりではなかったのですが いたるところにお花が咲き誇っています。
ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマツボスミレ
イワイチョウ
ニッコウキスゲ
いつも思うのだが、このニッコウキスゲは写真に撮りにくいw
5:28 賽の河原
先行していた若者3人組が休憩を取ってました。このグループは終始 抜きつ抜かれつつで
下山まで 一緒になることが多かったです。
若いだけあって ペースが早いね〜。休憩が多いからすぐに追いつくけど・・・。
この時間、アブが周りを飛び回っていて 私はいつもの虫よけ
タイガーバーム
アブやブヨにハッカ油が良いという人がいますが、登山では 汗でハッカ油成分がすぐに流れ落ちるのであまり役に立たないです。都度塗ればいいのですが それもまた難しいでしょう。タイガーバームは 軟膏的なものなので 汗で流れ落ちず 薬効(虫よけ)が長続きします。世界で売られているものです。日本で買うといい値段しますが、タイとか香港など東南アジアに出張に行かれる人がいるならおみやげに頼んでみると 恐ろしく安い値段で手に入れることができます。これ、なかなか減らないから、私は十年以上経た今でもまだ使いきってないですw
上述の3人組、顔にかけるネットを使ってました。物理的に虫を遮断するので効果はあると思いますが、なんだか 息苦しそうでしたねww
今回実は 花よりも 重層的な山の陣容を見るのを目的にしていたのですが
高山植物が咲き誇っていて 歩みがかなり遅いです。
ダイモンジソウ(白)とウサギギク(黄)
ヨツバシオガマ
チングルマ(穂)
歩いてきたトレイルを振り返る、にかほの町と日本海
ハクサンシャジン
が、ブヨやアブが耳元をブンブン飛び回るので じっくりピントを合わせて撮影、ってのは無理です。シャッターを押したら すぐに移動しないと 大変な状態になります。
ハクサンフウロ
高山植物の撮影に気を取られていたら 前方の方から 人の声が聞こえてきたので
顔を上げると 御浜(おはま)小屋が視界に入ってきました。
6:28 御浜(おはま)小屋着
ここで 荷物を降ろして小休止を取ります。
日本海を望む
夏特有の うっすら霞がかかったような状態。秋になれば スカッと海が一望できるんだろうな〜〜
御浜小屋にも宿泊はできます。ここから見る夕陽もいい感じだと思いました。
写真をよく見ると 遠くに 鉾立駐車場も見えます。よく歩いてきたな〜 と感無量の気分になりますが、まだまだ先は長い・・・。
小屋の裏側で鳥海湖が一望できます。
ハクサンシャジンと鳥海湖
こちらがいわゆる ハクサンシャジン
しばらく歩いてゆくと
ニッコウキスゲの群落
湖の向こう側にもトレイルがあるらしいのですが、次回でしょうか
扇子森から
こういうトレールは 自分が一番好きな風景です。
途中で 数人のグループ、登山部? らしき集団とすれ違います。この時間にすれ違うということは昨日、頂上に泊まっていたグループでしょうか
チョウカイアザミ(固有種)
7:15 七五三掛(しめかけ)に到着
今日のメインのエネルギー源は どら焼きですw
旧道はがけ崩れで進入禁止。新たに木道が敷設されています。第一の分岐がありますが、千蛇谷方面に行くなら 第一の分岐を左に行かず この少し上の第二の分岐から行った方が足場がよいです。道標をよ〜く見ると 矢印がある場所にガムテープで目隠しをしていて 暗に 第二分岐から千蛇谷ルートに降りるように 指し示されていますw
今日のルートは行きに千蛇谷コース、帰りに外輪山コースを選択しました。
ただ、逆のルートをたどる人も多いようでした。
第二の分岐あたりから 歩んできたルートを振り返る
千蛇谷の雪渓を望む
なにやら下山するパーティが雪渓を超えるのに時間がかかっているようで、雪渓上は大渋滞。
この後、この集団とすれ違うことになるのですが ジジババの高齢者の集団、胸に名札をつけており、ショップか旅行会社のツアーのような集団です。総勢18名。
今日はこういう集団3組くらいとすれ違うのですが、もう少し少人数に分けて引率してもらいたいなと、感じました。
人ひとりしか歩けないような登山道で出くわすと気を利かせてこちらが道を空けて
通過するのを待つのですが、おしゃべりしながらゆっくり(としか歩けないと思うが)した歩調なので、通過するのに延々と待たされる状況な訳なのです。
他の山域では こういう大人数の高齢者のパーティ 見かけなかったのですが、引率の方ももう少し考えてほしいなと思います。
千蛇谷の雪渓
外輪山側を見上げる
雪渓を越えて 先に見える 鳥海山の頂上を目指します。
ガレ場の登りを終えたら あれ、ッて感じで御室(おむろ)到着。時刻は8:40
神社も併設されているようでした。
ホントの頂上は 岩場の上 新山
登る前に 大休憩w
一息ついたら新山を目指します。
荷物をここにデポして空身で登る人もいるようでしたが、自分はトレッキングポールをザックに収納し 両手を使えるようにして いざ出発!
ここを直登するの? ってちょっとビビるような岩を登ってゆきます。
御室で休憩中に 写真を撮ってもらえる? ってお願いされた 御高齢の方が すぐ後ろを登ってきていて、石(岩?)を落下させたら この人に直撃するなってくらい 至近距離をついてこられるので「危ないですよ、万が一落石させちゃったら」と
やんわり申し上げると ちょっと距離を取られましたけど ^^;
恐ろしく荷物が少なくて シューズも登山靴というより 岩場を登る時につかうようなアプローチシューズを履いてる方や腕にスマホをつけて登山道を走って登るロレランの人もいました。この御高齢の方は前者に近い ^^;
とにかく その年齢に対して身軽すぎww
麓から見る鳥海山の頂上がこういうガレの岩場とは知らんかった・・・です。
胎内くぐり?
かなりの斜度で 断崖を降りるってのがピッタリですが 一歩一歩降りてゆけば大丈夫です。
5,6人でいっぱい、の広さしかないので、先行のグループが降りるのを待って
9:37 頂上スペースに。
ちょうどガスが回りだしたタイミングで 快晴であれば 月山なども見れるらしいのですが 今日は無理でした。
下からどんどん上がってくる人たちもいるようなので写真だけ撮って貰って下山です。
・・・・ん? それは √5 のゴロ合わせねww
帰りは行きとは違った、ちょうど新山を回るようにルートがあるようなのでそちらをチョイス。 ぷち洞窟、いや、こちらが本当の胎内くぐりらしいのですが、中にお社がありまして、そこをくぐってゆきます。
帰りは外輪山ルートを歩こうと考えていました。
この写真下部の斜面をまっすぐ歩いてゆくと谷に降りることができます。
谷の最下部から外輪山の上のルートに出るにはこの崖を登る必要があります。
ここ、外輪山コースから来た人とクロスする場所ですが、降りてくる人が岩を落としてしまうと 本当に事故る場所かと思います。
ちょうどジーンズを履いた2人組が崖の上にいたので その人たちが降りてくるのを見計らってから登りました。途中に鎖場も設置されているのですが、とにかく落石注意の場所です。
10:16 登りきりました。
外輪山ルートで来る人は ここが一番の難所かもしれません。
外輪山で初めて目にした チョウカイフスマ(固有種)
チョウカイフスマ、千蛇谷ルートでは(本人が気づいてないだけかもしれないが)見つけることができなかった固有種ですが、外輪山側は いたるところで見られました。
さて、道標を見ると 七高山(しちこうさん)まで100メートル程らしいので ついでに行ってみることにしました。
七高山から新山を望む
七高山から新山を見ると 向こうの方が高く見える・・・隣の芝は・・・でしょうけど
わずかに新山の方が高いですww
山頂で祓川(はらいかわ)コースでやってきた人が休憩されてたので雑談。初めての鳥海山のようで、一番時間が短くてすむので祓川ルートを選んだらしいのですが ここまで3時間かかったとのこと。鉾立ルートが御室まで4時間ですが、斜度がゆるやかだし、祓川ルートは途中足場が悪いと言ってたので、どちらがよいのかは微妙です ^^;
「後ろをついて言っていいですか?」と聞かれたのですが 「ご自由にどうぞ」と申し上げましたが、その後は不明です。
まあ 外輪山コースで道迷いする人はいないと思いますし、自分もその後 ケアすることもなく勝手に進みましたけど(汗)
この外輪山コース、南側の斜面がお花畑全開モード
イワギキョウ
チョウカイアザミ
ハクサンシャクナゲ
タカネアオヤギソウ
写真は撮るのをやめました(汗)
なお、時間的なものなのか場所的なものかは不明ですが、外輪山に上がった途端に トンボも乱舞しておりまして、そのせいかアブやブヨも居なかったです。
外輪山側から 御室と新山を望む
晴れてはいるのですが 海側から雲がどんどん湧き上がってきます
歩いてきたコースを振り返る
ちょうど夏空が広がっていて こちらのコースもいい感じです。
写真の左側は断崖です。写真の右側の尾根筋を登ってゆくのが外輪山ルート
外輪山コースも人が一人歩けるくらいの灌木の中を歩きます。断崖の底が見えるような箇所もあって 心理的には 断崖をさけるように足を置いていくのですが
私、途中で 灌木の根っこに足を取られて 転倒ww
転倒した勢いであやうく断崖の方に落ちてしまうとこでしたww
トウゲブキと青空・・・夏山と夏空
外輪山コースが終わって 高度を下げてゆくと ガスガスw
12:40 御浜小屋
小学生らしき集団が ハイキング? ここに集結してました。
あまりの人の多さの辟易したので、華麗にスルーw
ここで プラティパスに入れていた2Lの水を飲み干してしまいました。
事前の情報収集で 鳥海山は行程が長いし、水場がないので 十分な水は用意しておいたほうがよい ということだったので予備の水を用意しています。
ただの水ではないです。
日本健康スポーツ連盟推薦
GREEN DA・KA・RA
ザックに入れてたので ボトル自体はぐしゃぐしゃですw
朝から甘みのあるスポーツドリンクはいかがなものかと思いますが、下山時の身体はミネラル欠乏状態。
それにしても、このDAKARA amazonのカスタマーレビューを見ると ものすごい酷評ww(リンク貼っておきますので興味ある人は見てください)
たしかに旧タイプの方が 味が濃かったように自分でも感じましたが こと登山に限っては このくらいの薄さの方が 身体に水分が染み入るというか、甘さがひかえめ(すぎ?)でベタベタせず 飲みやすかったです。
近くのスーパーで2Lサイズ1本が100円ちょっとでしたけど 結果オーライというやつでしょうかw
それにしても この石畳の道、下山時は足にきます。
膝ではなくて足。まめでもできたか? とも思ったので トレッキングポールを使ってゆっくり降りましたが、後から自分の足をチェックすると特にまめができているわけでもなく・・・とにかく足が痛かったです。
14:06 鉾立駐車場
帰りに温泉でも入って汗を流してから帰ろうかとも思ったのですが、昨夜からほとんど寝てない状態だし、まっすぐ自宅に向かって帰ることにしました。
帰路は R112の月山ルート
前も後ろの車も高速巡航なのですが 後から考えれば 自分、眠気MAX状態で 意識朦朧としていたように思います。前を行く 車のテールライトを見ながらの運転だったのだけど、よく事故らなかった、なと (^_^;)
【コースタイム】
鉾立(04:28)ーー賽の河原(05:39)ーー御浜小屋(06:10)ーー06:55(御田ヵ原分岐)ーー七五三掛(07:15)ーー千蛇谷(07:42)ーー御室(08:40)ーー新山(09:35)ーー外輪山分岐(10:16)ーー七高山(10:22)ーー外輪山・千蛇谷分岐(11:45)ーー七五三掛(11:58)ーー御浜小屋(12:40)ーー鉾立(14:06)
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